建築屋の作業場というものは、木工機械と電動工具の音とホコリで、住宅街には置くことができないため、どうしても町から離れた寂しいところにあるものです。私がまだ大工の見習いだった頃(30年ほど前)は、親方の家に住込みで居る仲間のところに遊びに行くと、住宅街の真ん中にある建設会社の事務所の裏側が倉庫と作業場になっていて、作業場の片隅にその大工仲間の部屋があったりしたものですが、今はそんな作業場もすっかり見なくなってしまいました。
ホクシン建設の作業場も、町に追われ転々と引越しを重ね、10年ほど前にやっと今の場所に落ち着いたのでした。とは言っても人里はなれた奥地!細いデコボコ道を抜けたその場所は決して便利のよい所ではありません。ただ静かで、夜中まで作業を続けてもどこからも苦情が来ることは無いようです。
長年この仕事をしていると、資材は増える一方で毎年片付けてはいるものの、作業場は狭くなるばかりです。また、大工の人数も増えていることから、よほど要領良く順番を決めないと作業場から人と材料があふれてしまいます。
そこで、今年こそはと作業場の脇に加工小屋を増築することにしました。棟梁に抜擢されたのは最年少の木村君です!初の墨付けとなるこの増築には、大工見習いとして費やしてきた彼の成果が期待されます。一本一本の材料を組み立てて、大きな建物を築いていく様子は、大工にとって何より誇り高い時となるでしょう。
今後の展開が楽しみです。